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2004.12.09

■呉克群●素直な曲作りで好印象■

ASIEN第226号

呉克群《呉克群》 一見、鄭伊健(イーキン・チェン)やJustin & Sophiaの陳忠義(チェン・ジョンイー)を彷彿とさせる顔。人目をひくような強烈な個性はあまり感じさせないのですが、アルバム発売前からずいぶんメディアで取り上げられていたのがこの人、呉克群(ケン・ウー)。アルバムではなぜか“Kenji”と日本風の名前を使っている彼は、先頃自らの名前を冠したファーストアルバムを発売した新人です。台湾の新人って、このパターンが多いですね。あの周杰倫(ジェイ・チョウ)も、自分の名前がファーストアルバムのタイトルでした。

 歌手としては新人ですが、ドラマ《月光森林》などへの出演で、台湾では俳優としての知名度が先行している呉克群。実は学生時代(台湾藝術大学)から校内やライブハウスなどで自作の歌を披露してきた、根っからのミュージシャンです。今回満を持して発表したアルバムに収められた十曲すべての作詞・作曲を手がけています。ブリティッシュ・ロックを基調にポップス調からヘビメタ風、ストリングスを使ったバラードまで、様々な曲想の作品が詰まっていますが、全体としては比較的おとなしめ。ジャケットの作りはワイルドを打ち出していますが、あまり肩肘張らない素直な曲作りがこの人のスタイルなのかもしれません。

 おもしろいのがアルバムの最初に入っている、その名も《呉克群》という作品。これは言うなれば自己紹介のような曲なのですが、周杰倫や阿杜(アドゥー)をはじめ、劉徳華(アンディ・ラウ)、周華健(ワーキン・チョウ)、費玉清(フェイ・ユィーチン)などなど敬愛する歌手たちの声色を次々に披露しながら歌っているのです。いろんなアーティストの真似をして、最後に自分の声で「やはり僕は自分の声で歌を届けるしかない。僕は陳奕迅(イーソン・チャン)じゃない、僕の名前は呉克群」と締めくくっています。なかなか素直で好印象。うーんこの人、きっと真面目なよい青年に違いない(笑)。憧れてきた先輩たちへのオマージュなのでしょうが、そうそうたる面々を堂々とダシにするあたり、大物の片鱗をも感じさせてくれます。(銭衝)

追記:のほほん日記のぽちさまから、四年前に出ていた呉克群のファーストアルバムについてご指摘いただきました。ありがとうございます。こちらからどうぞ→http://music.kingnet.com.tw/act/tomorrow/

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■趙薇●静謐さが漂うニューアルバム《飄》■

ASIEN第225号

趙薇《飄》 実に四年ぶりという趙薇(ヴィッキー・チャオ)のアルバム《飄》が発売になりました。前回のアルバムでも演技だけではない彼女の藝域の広さを認識させられ、広く好評を博しました。今回も凛とした雰囲気の伝わってくる上質のアルバムに仕上がっています。

 今回のアルバム、シンプルで奇をてらわず、あえて非凡さを打ち消したような静けさを求めるコンセプトのよう。アップテンポの曲も入ってはいるのですが、いずれも最小限の楽器で、デコラティブなところは少しもありません。こうした雰囲気の醸成に大きくものを言っているのが、趙薇自身の伸びやかで透き通った高音の歌声。アルバムについてくる歌詞集もシンメトリーを意識したシンプルすぎるほどの作りで、全十曲の歌詞にそれぞれ、ごく短い散文が添えられています。

 十曲のうち七曲は今いちばん売れっ子の作詞家・姚謙(ヤオ・チェン)によるもの。彼がこのアルバムのディレクターとなり、プロデューサーにはこれも売れっ子の李偉菘(ポール・リー)と李偲菘(ピーター・リー)を迎えています。さらに姚謙と親しく、いま台湾で話題になっている「覆面歌手」 No Nameこと余憲忠(ユィ・シェンジョン……こうなっちゃぜんぜん「覆面」じゃありませんが)が《漸漸》という曲でデュエットに参加。またこの曲はシンガポール出身でこれまた台湾で人気のある黄義達(ホァン・イーダー)が作曲を担当しています。他にもブリティッシュ・ロック風の《無盡的莎士比亞》では大御所・張亞東(チャン・ヤードン)が参加するなど、シンプルなわりにはなかなか豪華なスタッフ。じっくり準備を重ねてきたようですね。

 テレビドラマ《還珠格格》の“小燕子”として両岸三地では知らぬ者のいない彼女ですが、日本で広く知られるようになったのは周星馳(チャウ・シンチー)の映画《少林足球(邦題:少林サッカー)》での奇っ怪な役どころがきっかけ。ちょいと不本意だったかもしれません(笑)。その後は昨年の東京国際映画祭に出品された《天地英雄(邦題:ヘブン・アンド・アース)》などでも引き続き日本に紹介されてはいますが、さらなる知名度アップはこれからに期待したいところ。その意味で今回のアルバム、売れ行きが注目されますが……惜しいかなCCCD(コピー・コントロールCD)なんですよね。もうそろそろやめにしませんか、ねえ、ヴァージンレコードさん。(銭衝)

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