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2005.03.16

■辦桌二人組●人情味あふれる若手台湾語デュオ■

ASIEN第239号

我的阿娜達 台湾語で歌う男性デュオ“辦桌二人組”四枚目のアルバム《我的阿娜達》が発売になりました。台湾でもヒットチャートのほとんどは、いわゆる“港台(香港と台湾)”の北京語ポップスが占めているなかにあって、CDショップでも売り上げの上位に食い込めているのは彼らだけかもしれません。

 もちろん五月天(メイデイ)や、最近ベストアルバムを出した張宇(フィル・チャン)をはじめ、台湾語の曲に愛着を持っているアーティストは多いですし、台湾には他にも様々な年代の台湾語歌手がたくさんいます。それでもこうして台湾語歌手が“港台”ポップスに混じって売り上げで健闘している存在はそれほど多くはなく、この「二人組」はとても貴重な存在といえるでしょう。

 阿傑こと馮韋傑(パン・ウィッケ)と阿龍こと龍力維(リゥ・ラッゥイ)の“二人組”、彼らがデビューしたのは二〇〇二年のこと。当時進められていた旧高雄駅舎(日本統治時代の建築です)の移設工事とタイアップで、《再會啦!車站》というアルバムを発表、一躍話題となりました。現在の行政院長(日本の総理大臣に当たる)である謝長廷氏が当時の高雄市長で、このアルバムの企画にも参加したそうです。美しいハーモニーの男性デュオということで、デビュー当時は台湾語版の“無印良品”などと評されました。

 ユニット名の“辦桌”というのは台湾で冠婚葬祭時によく見かける「仕出しサービス屋さん」のこと。道路脇や路地を借りてウナギの寝床のようなテントを張り、テーブルと椅子を並べ、食事の用意をし、必要に応じて宴会を盛り上げる藝人さんの手配までする……。二人はともにこうした家業を営む両親の元で育ったのだそうです。南国台湾の風情色濃いこうした“辦桌”業、二人の歌に流れる「人情味」はそんな生い立ちに育まれたものなのかもしれません。

 「人情味」と書きましたが、そう、このユニットの楽曲はどちらかというと、いやかなり素朴な、時に演歌に近い雰囲気を持っています。今回のアルバムタイトルである《我的阿娜達》、《阿娜達》は「アナタ」と発音し、これは台湾語に今も多く残されている日本語のひとつ。こうした言葉を折り込むことで、なんとも土着的なノスタルジーあふれる楽曲作りを目指しているようです。私は台湾語をほとんど解しませんが、それでも彼らの歌を聴きながら歌詞集に目を走らせていると、とてもほのぼのとした温かいものを感じます。

 このアルバムには、収められた十曲のほかにいくつかの曲についてカラオケ版がついています。きっと宴会などでも大いに利用されていくのでしょうね。なにしろ台湾のみなさん、台湾語の歌にあわせて音頭を取っているときは、明らかに北京語より体温が上がっている、そんな感じがするかたたちですから……。(銭衝)

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